シロアリ対策が思ったより高額。本当に必要なの?
シロアリ対策は何円くらいかかるの?
長期優良住宅だと、定期的なシロアリ予防が義務なの?
木造住宅にとって、木材をスカスカにしてしまうシロアリは天敵です。
私、だん(壇)は、建築関係の企業で5年以上働いていて、一級建築士の資格も持っています。
そんな私が、公的な機関のデータも用いながら、シロアリ対策のことを分かりやすく解説します。
この記事を読めば、シロアリ対策が必要な理由が分かります。
また、なるべく安い金額でシロアリ対策を行う方法も紹介するので、家計への負担を最小限に、大切な家を守ることができます。ぜひ最後まで読んでください。
また、こちらの記事で、シロアリ駆除・予防の有名業者5社を、比較・ランキングで紹介しています。↓
シロアリ予防が必要な理由
シロアリ被害に遭う確率
家の新築時、多くの場合、木材のシロアリ対策のため薬剤処理がされます。 その薬剤の保証期間は、5年間が一般的です。
公益財団法人日本しろあり対策協会が発行している機関紙「しろあり」によると、
保証が切れてから10年ほど経つと、20%近くの建物がシロアリ被害に遭うというデータが示されています。
保証が切れてから10年以内でも、5~10%くらいの建物がシロアリ被害に合っています。
シロアリ対策の保証が切れたまま長く放っておくと、5軒中1軒の家がシロアリ被害に遭ってしまう計算になります。
適切な対策をしていない場合、シロアリ被害に合う確率は結構高いですね。
シロアリ被害がある家は地震で被害を受けやすい
シロアリ被害に遭った家は、地震が起きた際に被害を受けやすくなります。
ミサワホーム総合研究所の調査によると、阪神淡路大震災では、蟻害・腐朽なしの家のうち2割が全壊となったのに対し、蟻害・腐朽ありの家のうち8割が全壊となりました。
8割ということは、蟻害・腐朽蟻の家はほとんどが全壊したということです。
また、熊本地震でも、家が倒壊した原因の1つとして蟻害が挙げられています。
対策を行わずシロアリ被害を受けてしまうと、地震が起きたときに全壊してしまう確率が格段に高くなってしまいます。
シロアリ被害を受けやすい家の特徴
基礎がべた基礎ではない(布基礎など)家の場合、地面の土がコンクリートでおおわれていないので、シロアリが基礎を伝って木材まで上って来やすくなります。
風呂がユニットバスでない場合、施工者の技術が不十分な場合、風呂の湿気や水分が床下や壁の中に漏れやすくなります。
その結果、木材が腐ったりシロアリ被害を受けたりしやすくなります。
シロアリは湿気があるところでしか生きられません。
だから湿気があると、木材がシロアリ被害を受けやすくなるんです。
床断熱ではなく基礎断熱となっている場合も、施工の質が悪いと、シロアリが断熱材の中を伝って木材まで上って来やすくなります。
日本で被害が多いシロアリには、ヤマトシロアリとイエシロアリがありますが、被害が大きくなりやすいイエシロアリは、温暖な地域で被害事例が多いです。
九州・四国や、本州の南の方にお住まいの方は、より注意してシロアリ対策をする必要があります。
シロアリ予防・対策の方法と、費用
シロアリ対策の保証期間が過ぎたら再処理をする
多くの住宅では、シロアリ予防のため、地面に近い木材(土台など)に薬剤処理がしてあります。
この薬剤処理は、保証期間が過ぎたら再処理を行う必要があります。
保証期間は、5年が一般的です。
保証期間が過ぎているかどうかは、以下のような方法で調べましょう。
- 家を建てたハウスメーカーや工務店に尋ねる
- 家を建てた際の書類を確認する
シロアリ対策の方法|なるべく安くするには?
シロアリ対策には以下のような方法があります。
- 自分で床下に潜って薬剤を散布する
- プロの業者に依頼する
自分で床下に潜って薬剤を散布すると、業者に依頼するよりも安い金額でシロアリ対策をすることができます。
しかし、大量の薬剤を持って、床下に潜って作業するのは、かなりの労力を要しますので、おすすめはしません。
プロの業者に依頼する際は、複数社に相見積もりを取ることで、適正な価格を見極め、なるべく安い価格で依頼することができます。
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また、家を建てたハウスメーカーや工務店に依頼するという方法もあります。
シロアリ対策の費用
「積算資料リフォーム編2023」によると、シロアリ対策の再処理(予防処理)の相場は、床面積1㎡あたり2,100円(坪単価約6,900円)です。
雨漏りや蟻害の定期点検
雨漏りや蟻害の定期点検をすることで、シロアリ被害を早期発見したり、シロアリ被害が出る前に事前に防止したりすることができます。
以下のような場合は、シロアリの被害がすでに出ている可能性があります。
↑こんな場合は、業者を呼んで点検してもらった方が良いです。
こちらの記事で、シロアリ駆除・予防の有名業者5社を、比較・ランキングで紹介しています。↓
また、以下のような場合は、雨漏り・漏水が起きている可能性があります。
シロアリは湿気が大好きなので、雨漏り・漏水があるとシロアリ被害を受けやすくなります。
参考記事:住宅の点検は義務?必要?どうやるの?
↑こんな場合は、雨漏り修理の業者に点検してもらい、原因の特定・修理をしてもらいましょう。
家の周りに紙や木材・枯れ木を置かない
家の周りに紙や木材、枯れ木などを置くと、シロアリにエサと隠れ場所を与えてしまうことになります。
家がシロアリ被害を受けやすくなるので、なるべく置かないようにしましょう。
同じような理由で、木製のウッドデッキもおススメできません。ウッドデッキを作りたい場合はなるべく樹脂製のものを使いましょう。
ちなみにシロアリはアリではなくゴキブリの仲間です。気持ち悪い...
長期優良住宅だと定期的なシロアリ予防が義務なの?
長期優良住宅の場合は、定期的な点検・メンテナンスが義務化されています。
参考記事:長期優良住宅の点検・メンテナンスしないとどうなる?|罰金や返金がある?
法律や規則の中で、定期的なシロアリ予防について直接義務付けられてはいませんが、多くの場合は、家を建てるときに作る「維持保全計画書」の中にシロアリ予防について記載されます。
↓下の画像でも、「5年で防腐・防蟻処理」と記載があります。
(出展:(一社)住宅性能評価・表示協会HP 長期優良住宅に係る認定基準 技術解説【第10版】)
長期優良住宅は、維持保全計画書の通りに点検・メンテナンスを行っていかないといけないので、維持保全計画書にシロアリ予防について記載がある場合は、記載されている通りの対策をしていかないといけません。
維持保全計画書は、長期優良住宅の認定証と一緒に保管されている場合が多いです。
維持保全計画書が見つからない場合は、家を建てたハウスメーカーや工務店に聞いてみると良いでしょう。
それでも見つからないなら、お住まいの都道府県or市区町村に聞いてみましょう。
ちなみに、維持保全計画書の内容を変更したい場合は、行政(都道府県or市区町村)に対して変更申請を行う必要があります。
参考記事:【長期優良住宅やめたい人へ】取り消すとどうなる?申請のやり方は?>点検・補修の計画(維持保全計画書)は、無理のない計画に変更できる。
まとめ
- シロアリ予防が必要な理由は、シロアリ被害に遭う確率は高く、シロアリ被害が起きた家は地震で全壊しやすいから。
- シロアリ対策の業者を選ぶ際は複数業者に相見積もりを取って比較するのがおススメ。相場は、1階部分の面積20坪なら14万円くらい。
- 長期優良住宅の場合は、維持保全計画書に記載があるなら、定期的にシロアリ予防をしないといけない。
また、こちらの記事で、シロアリ駆除・予防の有名業者5社を、比較・ランキングで紹介しています。↓
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