ブロック塀の高さに決まりはあるの?
ブロック塀は危険なの?
ブロック塀に関する法律を詳しく知りたい!
そんな疑問に答えます。
高すぎるブロック塀は、大きい地震が起きたときに崩れて人にケガをさせてしまう可能性があります。
私は、一級建築士の資格を持っており、建築関係の会社で5年以上働いています。
そのため、建築の専門知識や業界事情に詳しいです。
そんな私が、ブロック塀の高さ制限や建築基準法ついて解説します。
この記事を読むことで、ブロック塀についてのルールが一通りわかります。
専門ではない人にもわかるように丁寧に解説するので、ぜひ最後まで読んでください。
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ブロック塀(CB塀)の高さは法律で決められている|建築基準法
ブロック塀(CB塀)の高さは建築基準法によって厳格に制限されています。
ここでは、建築基準法で決められているブロック塀のルールについて解説します。
ブロック塀には建築基準法の規制がかかる
建築基準法は、建築物に関する最低基準を定める法律ですが、ブロック塀も建築基準法を守る必要があります。
建築物の敷地内にあるブロック塀は「建築物」扱いとなるためです。
以下、引用部分は読み飛ばしてもOKです。
建築基準法第二条(用語の定義)
一 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設をいい、建築設備を含むものとする。
引用元:建築基準法
鉄筋が入っているブロック塀(補強コンクリートブロック造)
一般的に、ブロック塀には鉄筋を入れます。
鉄筋が入っているブロック塀は「補強コンクリートブロック造の塀」に該当し、建築基準法施行令第62条の8の規定がかかります。
塀の高さが1.2m(6段)を超えると控え壁が必要となるので、高さは1.2m以下とすることが一般的です。
鉄筋が組み込まれた補強コンクリートブロック造は、鉄筋が入っていないものよりも地震や自然災害に対する強度が高いです。
以下、引用部分は読み飛ばしてもOKです。
建築基準法施行令 第四節の二 補強コンクリートブロツク造
(塀)
引用元:建築基準法施行令
第六十二条の八 補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ一・二メートル以下の塀にあつては、第五号及び第七号を除く。)に定めるところによらなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
一 高さは、二・二メートル以下とすること。
二 壁の厚さは、十五センチメートル(高さ二メートル以下の塀にあつては、十センチメートル)以上とすること。
三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径九ミリメートル以上の鉄筋を配置すること。
四 壁内には、径九ミリメートル以上の鉄筋を縦横に八十センチメートル以下の間隔で配置すること。
五 長さ三・四メートル以下ごとに、径九ミリメートル以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの五分の一以上突出したものを設けること。
六 第三号及び第四号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあつては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあつてはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の四十倍以上基礎に定着させる場合にあつては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。
七 基礎の丈は、三十五センチメートル以上とし、根入れの深さは三十センチメートル以上とすること。
鉄筋が入っていないブロック塀(組積造)
鉄筋が入っていないブロック塀は「組積造の塀」扱いとなります。
鉄筋が入っている塀に比べて、地震や風に対する強度が弱いです。
そのため鉄筋が入っている塀よりも、高さや控え壁に関する規制が厳しいです。
控え壁が必要となってしまうし強度も心配なので、鉄筋のある塀を選ぶ方がほとんどです。
鉄筋が入っていないからと言って即”違法”となるわけではないです。
鉄筋が入っていなくて、かつ、控え壁が無かったり厚さが薄かったりしたら、違法となります。
以下、引用部分は読み飛ばしてもOKです。
建築基準法施行令 第四節 組積造
(組積造のへい)
第六十一条 組積造のへいは、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 高さは、一・二メートル以下とすること。
二 各部分の壁の厚さは、その部分から壁頂までの垂直距離の十分の一以上とすること。
三 長さ四メートル以下ごとに、壁面からその部分における壁の厚さの一・五倍以上突出した控壁(木造のものを除く。)を設けること。ただし、その部分における壁の厚さが前号の規定による壁の厚さの一・五倍以上ある場合においては、この限りでない。
四 基礎の根入れの深さは、二十センチメートル以上とすること。
引用元:建築基準法施行令
建築基準法を守っていないブロック塀は危険
高すぎるブロック塀や、建築基準法を守っていないブロック塀は、地震が起きたときなどに崩れて他人にケガをさせてしまう可能性があります。
所有者の責任
ブロック塀が崩れて他人にケガをさせてしまった場合、所有者の責任を問われる可能性があります。
その塀が建築基準法を守っていなかったなら、なおさら責任は重くなります。
法的トラブルを避けるためにも、建築基準法を守ることは不可欠です。
地震での被害
高さなどの制限を守ってないブロック塀は、地震などの自然災害に弱く、崩れる危険性が高まります。
近年では、2018年の大阪北部地震で、小学生が崩れたブロック塀の犠牲になった事故がありました。
この事故からブロック塀の危険性を認識した人は多いです。
参考:大阪府北部を震源とする地震に係る建築物等の被害状況と今後の取組みについて(国交省HP)
ブロック塀の安全性の確認方法
1つでも不適合があれば専門家へ相談しましょう。
どこに相談してよいかわからない人は、(公社)日本エクステリア建設業協会が無料相談を実施していますので、相談を検討してみましょう。
(国のHPで紹介されている「ブロック塀等の安全性確保に向けた啓発チラシ」でも相談窓口として紹介されています。)
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建築基準法の知識がない業者が施工している場合がある
多くのブロック塀工事は、建設業の許可や建築士の資格がなくてもできるため、法律の知識を持っていない業者が施工してしまう場合があります。
業者に頼んで作ったブロック塀でも、先ほど紹介した安全性チェックで1つでも不適合があれば専門家へ相談しましょう。
どこに相談してよいかわからない人は、(公社)日本エクステリア建設業協会が無料相談を実施していますので、相談を検討してみましょう。
(国のHPで紹介されている「ブロック塀等の安全性確保に向けた啓発チラシ」でも相談窓口として紹介されています。)
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高すぎるブロック塀・危険なブロック塀は早めに撤去/リフォームしよう
高すぎるブロック塀や危険なブロック塀は、誰かにケガをさせてしまう前に、リフォームや撤去を行うのが賢明です。
よくあるリフォーム事例
安全性をチェックしたブロック塀が危険な状態だった場合、撤去やリフォームが必要です。
補助金
国は、道沿いのブロック塀の建て替え・除却を推進しています。
そのため、道沿いのブロック塀の建て替えや除却をする際に補助金をもらえる自治体は多いです。
ブロック塀の建て替え・除却をするときは、補助金を受けることで、費用負担を軽減できます。
参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和5年度版)
ブロック塀(CB塀)のメリット・デメリット
まとめ
- 高さ1.2m(6段)を超えるブロック塀は注意が必要。
- 自己チェックの方法として、塀の高さや厚さ、基礎の有無、ひび割れの有無を確認することが挙げられる。
- ブロック塀のリフォーム事例としては、高さを低くしたり、2~3段残してフェンスを設置したりするのが一般的。
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