長期優良住宅はメンテナンスが義務?
家が長期優良住宅だけど、点検やメンテナンスをしたくない。
点検やメンテナンスをしなかったらどうなるの?
こんな悩みを解決します。
こんにちは、だん(壇)です。
「自分の家が長期優良住宅だけど、点検やメンテナンスのことがよくわからない・できればやりたくない」という人は多いのではないでしょうか。
建築関係の企業で4年以上働いていて、一級建築士の資格も持っている私が説明します。
この記事を読めば、具体的に何をすれば罰金が取られるのか、何をしなかったら長期優良住宅の認定が取り消されるのかが分かります。
長期優良住宅は、維持保全(定期点検とメンテナンス)が必要(義務)です。
維持保全計画書のとおりに定期点検とメンテナンスをしないといけません
家を新築した時等に、長期優良住宅の書類を都道府県や市区町村に提出します。
その長期優良住宅の書類の中に、維持保全計画書(下図参照)も入っています。
引用元:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会HP パンフレット(外部リンク)
長期優良住宅認定制度の技術基準の概要について[新築戸建(木造軸組)版]〔令和4年3月発行〕18ページ
長期優良住宅の持ち主は、維持保全計画書に記載されている時期に、建物の点検を行わないといけません。
点検項目も、維持保全計画書に記載されている通りにしないといけません。
参考記事:長期優良住宅の点検・メンテナンス義務
定期点検は少なくとも10年ごと・30年間
維持保全計画書に記載されている時期に、定期点検を行わないといけません。
定期点検は、最低でも10年毎に30年間行う必要があります。
台風や地震が起きれば臨時点検が必要
維持保全計画書の中に「台風や地震の後、臨時点検を行う」と記載されていることがほとんどです。
小規模な地震や台風だった場合は、家の持ち主や点検業者の判断で、点検をしくても大丈夫です。
定期点検の結果によってはメンテナンス(調査・修繕・補修)が必要
定期点検の結果、劣化や不具合の状況に応じて、調査・修繕・補修などを行わないといけません。
定期点検やメンテナンスの記録を保管しないといけない(抜き打ち調査があります)
定期点検やメンテナンスを行った場合、その記録は全部保管しておく必要があります。
都道府県や市区町村から、抜き打ち調査として、急に記録の提出を求められることがあるので注意が必要です。
ウソの報告を行うと30万円以下の罰金となることがあります。
「維持保全なんてめんどくさい!長期優良受託の認定を取り消したい」という方は以下の記事を参考にしてください。↓
(参考記事):【長期優良住宅やめたい人へ】取り消し申請すべき?やり方は?
また、こちらの記事で、長期優良住宅のメンテナンスにかかる費用の目安を試算しています。↓
(参考記事):【一級建築士が解説】長期優良住宅のメンテナンス費用(補修費用)は高い?|10年後や30年後に何円かかる?
長期優良住宅の定期点検やメンテナンス(修繕など)を行わないとどうなるの?
長期優良住宅の定期点検やメンテナンスを行わないと、最悪の場合、長期優良住宅の認定が取り消されます。
都道府県や市区町村から、抜き打ち調査として、急に点検記録や補修記録の提出を求められることがあります。
そのとき、維持保全計画書の通りに定期点検やメンテナンス(修繕など)を行っていない場合は、都道府県や市区町村から注意されます。注意されても定期点検やメンテナンスを行わない場合は、最悪の場合、長期優良住宅の認定が取り消されます。
参考(外部リンク):一般社団法人住宅性能評価・表示協会HP 参考資料「「長期優良住宅の認定を受けられたみなさまへ」(チラシ)」
補助金を過去に利用していたら、返金を求められる
長期優良住宅の認定を受けていることが条件で、もらえる補助金があります。
それらの補助金を利用したことがある場合は、長期優良住宅の取り消しを行うと、返金を求められる可能性があります。
特に注意すべきなのは、以下の補助金を受けたことがある場合です。
長期優良住宅の取り消しをするのは市区町村(または都道府県)で、補助金を実施しているのは国です。
でも、取り消しをしたら、市区町村(または都道府県)から国へお知らせが行き、国から返金を求められる可能性は十分あります。
減税を受けている場合、固定資産税が高くなる(←元の税率に戻る)
長期優良住宅の認定を受けている場合、一戸建ての場合は5年間、マンションの場合は7年間、市町村へ納める固定資産税がざっくり半額となります。
普通の住宅なら、ざっくり半額となる期間は、一戸建ての場合は3年間、マンションの場合は5年間です。そのため、長期優良住宅は、普通の住宅よりも固定資産税が2年分お得と言えます。
長期優良住宅を建ててから5年以内(マンションなら7年以内)に取り消しを行うと、それ以降の固定資産税は元通りの金額となってしまいますので注意が必要です。
(参考 外部リンク):横須賀市HP「認定長期優良住宅に対する固定資産税の減額について」(見出し「申告に必要な書類」のところ)
固定資産税については、長期優良住宅を建ててから5年目(マンションなら7年目)の固定資産税を払った後だったら、そこまで気にしなくても良いです。
ちなみに、今まで固定資産税の優遇を受けた分の返還を求められたという話は聞いたことはないです。不安な方は、市町村の固定資産税担当窓口に尋ねることをお尋ねします。
報告をしなかったり、ウソ報告をすると30万円以下の罰金
都道府県や市区町村から、抜き打ち調査として、急に点検記録や補修記録の提出を求められることがあります。
そのときに、認定の取り消しがされないようにウソの報告を行ったり、報告をしなかったりすると、30万円以下の罰金となることもあります。
計画通りに点検やメンテナンスをしていなくても、罰金にはなりません。(注意を受ける可能性はあります。)
ウソの報告はリスキーすぎるので、絶対にしないようにしましょう。
参考(外部リンク):一般社団法人住宅性能評価・表示協会HP 参考資料「「長期優良住宅の認定を受けられたみなさまへ」(チラシ)」
長期優良住宅の定期点検は誰に頼むの?
長期優良住宅の定期点検は、誰が行っても問題ありません。
基本的には、以下の3パターンのどれかになります。
- 家の持ち主が自分で点検する
- 家を建てたハウスメーカーや工務店が点検する
- 第三者の建築士などに点検を頼む
参考:業者を探したい場合↓
(外部リンク1)
一般社団法人日本建築士事務所協会連合会HP 既存住宅状況調査技術者検索(国家資格 建築士のみ)
(外部リンク2)
NPO法人日本ホームインスペクターズ協会HP ホームインスペクターを検索する(民間資格)
長期優良住宅のシロアリ対策(再処理)についての記事はこちら↓
参考記事:シロアリ対策は必要か|費用は?長期優良住宅だとシロアリ予防が義務?
住宅の点検の業者をお探しの方は、イエコマを利用するのもおすすめです。
- 初回限定2万2千円(税込。出張費無料・追加料金なし)
他社の場合、相場は5万円~7万円くらいはするので、破格です。 - 独自の厳しいサービス基準があるので、高度な技術を持った、家の専門家による点検が受けられます。
- 実際に訪問する業者とイエコマは別会社。万一の場合はイエコマが窓口となるため、強引な営業を受ける心配がありません。
長期優良住宅のメンテナンス費用を安くする方法
メンテナンスが必要だということは分かったものの、ハウスメーカーや工務店から提案されたメンテナンスの費用が高くて、動き出せない人も多いと思います。
ハウスメーカーや工務店を通さずに、自分で業者を探してメンテナンスを行えば、安くできる可能性が高いです。
ハウスメーカーや工務店は中間マージンが多いので、メンテナンスの費用が高くなりがちです。
ハウスメーカーや工務店も、自社ではなく下請けに工事を任せていることがほとんどで、自分で業者を探しても工事の質は変わりません。
例えば、ハウスメーカー・工務店から提案された外壁・屋根塗装工事の価格が高すぎて悩んでいる人は、下記のサイトで診断をすると、安くなる可能性が高いです。
こちらの記事で、外壁塗装の優良業者の特徴・選び方について解説しています。↓
参考記事:屋根・外壁塗装はどこに頼む?失敗しない選び方|おすすめ優良業者の特徴
また、こちらの記事で、長期優良住宅のメンテナンスにかかる費用の目安を試算しています。↓
参考記事:長期優良住宅のメンテナンス費用(補修費用)は高い?|10年後や30年後に何円かかる?
まとめ
- 長期優良住宅の認定を受けた住宅には、点検・メンテナンスの義務があります。
- 点検・メンテナンスをしないと、長期優良住宅の認定の取り消しや返金のリスクがあります。
- 行政から維持保全の報告を求められることがあります。(報告しなかったり、うその報告をすると30万円以下の罰金となる場合があります。)
悪徳業者を避けながら、なるべく安くメンテナンスをしたい方は、一括見積サイトを利用するのも1つの方法です。
例えば外壁・屋根塗装の場合だと、以下のようなサイトがおすすめです。
こちらの記事で、外壁塗装の優良業者の特徴・選び方について解説しています。↓
参考記事:屋根・外壁塗装はどこに頼む?失敗しない選び方|おすすめ優良業者の特徴
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