長期優良住宅の点検・メンテナンス義務【一級建築士が解説】

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長期優良住宅はメンテナンスの義務があるって本当?

点検やメンテナンスをどうすればいいのかわからない。

点検やメンテナンスをなるべく安くしたい。

 こんな悩みを解決します。

この記事で分かること
  • 長期優良住宅の認定を受けた住宅には、点検・メンテナンスの義務があります。
  • 点検のやり方、メンテナンス(修繕など)を安く済ませる方法も説明します。

長期優良住宅のシロアリ対策(再処理)についての記事はこちら↓
参考記事:シロアリ対策は必要か|費用は?長期優良住宅だとシロアリ予防が義務?

 こんにちは、だん(壇)です。

 「自分の家が長期優良住宅だけど、点検やメンテナンスのことがよくわからない・できればやりたくない」という人は多いのではないでしょうか。

 そんな悩みをまるっと解決します。

だん(筆者)
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建築関係の企業で4年以上働いていて、一級建築士の資格も持っている私が説明します。

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長期優良住宅とは

長期優良住宅とは
助手
助手

すごくざっくり言うと、メンテナンスがしやすく、長持ちする住宅です。

 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の基準に適合しており、特定行政庁(都道府県or市区町村)の認定を受けた住宅を、長期優良住宅と言います。

長期優良住宅となるための条件
  • 雨漏り、結露、シロアリに強い。
  • 地震に強い。
  • 配管の掃除や点検、交換がしやすい。
  • 最低限の省エネ性能がある。
  • 点検、メンテナンスの計画が立ててある。
  • その他(資金計画・周辺への配慮など)
  • 都道府県または市区町村の認定を受ける。
だん(筆者)
だん(筆者)

2021年の新築戸建て住宅は、3割近くが長期優良住宅だったようです。

詳細記事:【長期優良住宅とは?】認定基準・条件や確認方法を一級建築士が解説

長期優良住宅の認定を受けるメリット・デメリット

メリット
  • 住宅を長い間使用できるだけの性能が保証されている
  • 税制優遇を受けられる
  • 補助金を受けられる場合がある
  • 住宅ローンの金利引き下げがある
  • 地震保険の割引がある
  • 長期優良住宅は将来売ったり貸したりしやすい。(資産価値を保てる。)
デメリット
  • 工期が長くなりやすい。
  • 長期優良住宅の認定を受けるための手続きに費用が掛かる。
  • 建築コストが高くなる。
  • 新築時に計画した通りに、点検・メンテナンス(修繕など)を行う必要がある

長期優良住宅は点検とメンテナンス(補修)が義務です。

維持保全の義務
  • 長期優良住宅は、新築時に計画した通りに、点検・メンテナンス(修繕など)を行う必要がある。
  • 点検は少なくとも10年ごとに行う。
  • 点検の結果によってはメンテナンス(調査・修繕・補修)が必要。
  • 点検やメンテナンス、増改築は記録を残す必要がある。
  • 点検やメンテナンスを怠ると、長期優良住宅が取り消される危険がある。
だん(筆者)
だん(筆者)

長期優良住宅が取り消されると、過去に受けた補助金の返還を求められる可能性があります。

 長期優良住宅は新築時に、維持保全計画書という書類を作って、30年後まで点検の計画を立てます。

 維持保全計画書は、通常は長期優良住宅の書類の中に保管されています。

引用元:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会HP パンフレット(外部リンク)
長期優良住宅認定制度の技術基準の概要について[新築戸建(木造軸組)版]〔令和4年3月発行〕18ページ

詳細:長期優良住宅の点検・メンテナンスしないとどうなる?|罰金や返金は?

長期優良住宅の定期点検は誰に頼むの?費用はいくら?

点検をだれに頼む

 長期優良住宅の定期点検は、誰がやっても問題ありません。

 基本的には、以下の3パターンのどれかになります。

  • 家の持ち主が自分で点検する→無料
  • 家を建てたハウスメーカーや工務店が点検する→無料の場合もある。契約書を要確認。
  • 第三者の建築士などに点検を頼む→相場は5~7万円程度。
だん(筆者)
だん(筆者)

筆者的には、10年に1度はプロに点検してもらって、他の点検は家の持ち主が自分で行うのもおすすめです。

詳細:長期優良住宅の定期点検費用の目安はいくら?誰に頼む?

 住宅の点検の業者をお探しの方は、イエコマを利用するのもおすすめです。

  • 初回限定2万2千円(税込。出張費無料・追加料金なし)
    他社の場合、相場は5万円~7万円くらいはするので、破格です。
  • 独自の厳しいサービス基準があるので、高度な技術を持った家の専門家による点検が受けられます。
  • 実際に訪問する業者とイエコマは別会社。万一の場合はイエコマが窓口となるため、強引な営業を受ける心配がありません。

長期優良住宅の点検は自分でやってもOK。点検項目は?

自分でやって良いか

 長期優良住宅の点検は家の持ち主が自分でやっても、全然問題ありません。

主な点検項目
  • 基礎
  • 床下
  • 天井裏
  • 外壁
  • 屋根
  • 給排水管 等など...

詳細:【長期優良住宅の定期点検】点検項目は?|自分で点検できる?

長期優良住宅のメンテナンス費用は高い?安くする方法も解説

 点検で、補修が必要な箇所が見つかったら、メンテナンス工事をする必要があります。

メンテナンス工事の例
  • 防蟻(シロアリ対策)の薬剤の保証期間が終わったから、防蟻処理をする。
  • 外壁の塗装が劣化したから、再塗装をする

長期優良住宅はメンテナンスの費用が高くなるんでしょ?

だん(筆者)
だん(筆者)

誤解です!

  • 「長期優良住宅にするとメンテナンス費用が高くなる」は誤解。
  • 10年後、20年後にかかるメンテナンス費用は120~170万円程度、30年後にかかるメンテナンス費用は400~520万円程度(試算)

詳細:長期優良住宅のメンテナンス費用|10年後や30年後に何円かかる?

長期優良住宅のメンテナンス費用を安くする方法

家を建てたハウスメーカーや工務店から提案されたメンテナンスの価格が高すぎて、メンテナンスが億劫になっている人も多いはずです。

ハウスメーカーや工務店を通さずに、自分で業者を探してメンテナンスを行えば、安くできる可能性が高いです。

助手
助手

ハウスメーカーや工務店は中間マージンが多いので、メンテナンスの費用が高くなりがちです。

ハウスメーカーや工務店も、自社ではなく下請けに工事を任せていることがほとんどで、自分で業者を探しても工事の質は変わりません。

例えば、ハウスメーカー・工務店から提案された外壁・屋根塗装工事の価格が高すぎて悩んでいる人は、下記のサイトで診断すると、塗装費用の相場を知ることができます。

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長期優良住宅を取り消したいときは?

取り消し方

点検やメンテナンスが面倒!お金払えない!

いっそ取り消したい。

だん(筆者)
だん(筆者)

長期優良住宅を取り消すときは、都道府県か市区町村に取り消しの書類を出せばOK。

でもちょっと注意して!

長期優良住宅を取り消す際の注意点
  • 固定資産税が高くなったり、過去に受けた補助金の返金を求められる可能性がある
  • 長期優良住宅じゃなくても、定期的な点検とメンテナンスは超重要

詳細:【長期優良住宅やめたい人へ】取り消すとどうなる?申請のやり方は?

長期優良住宅じゃなくても、定期的な点検とメンテナンスは重要です。

 長期優良住宅じゃなくても、高い修繕費用を払うのを避けるためには、定期的な点検・メンテナンスが重要です。

  • 雨水が壁の中に侵入し、構造躯体が腐った。
  • シロアリ被害に遭った。
  • 外壁の劣化が進行し、外壁全面の張替えが必要になった。

 このようになってからだと、かなり高額な費用が掛かってしまいます。

 定期的な点検・メンテナンスを行うことで、これらの症状を防いだり遅らせたりすることができます。

参考記事:外壁塗装の必要性を一級建築士が解説|しないとどうなる?みんなやってるのはなぜ?

まとめ

まとめ
  • 長期優良住宅の認定を受けた住宅には、点検・メンテナンスの義務があります。
  • 点検・メンテナンスをしないと、長期優良住宅の認定の取り消しや返金のリスクがあります。
  • 定期点検は誰に頼むの?→自分でやる/家を建てたハウスメーカーや工務店/第三者の建築士など。
  • 見積もりを取ることでメンテナンス費用を安くできる。
  • 長期優良住宅の取り消しはできるが、普通の住宅でもメンテナンスは重要。
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