家・住宅の点検は義務なの?しないとだめなの?
誰に頼めば良いかわからない!
住宅の点検をしなかったらどうなるの?
住宅にかかるランニングコストをなるべく低くするために、定期的に点検をするのは重要です。
私、だん(壇)は、建築関係の企業で4年以上働いていて、一級建築士の資格も持っています。
そんな私が、住宅の点検のことを分かりやすく解説します。
この記事を読めば、住宅の点検についての正しい知識が身に付き、ランニングコストを抑えながら家を長持ちさせられるようになります。
また、利益重視の業者・ハウスメーカーのセールストークに騙されにくくなります。
国や都道府県、一般社団法人などの信頼できる情報をもとになるべく分かりやすく書いています。住宅の点検に疑問がある人は最後まで読んでください。
住宅の定期点検って何?なぜ必要?
住宅を建てたり買ったりしてから数年後に施工不良等の不具合が発覚することがあります。
また、施工不良が無くても、雨風や日光を受けている外壁や屋根は経年劣化していきます。
施工不良や劣化は、放っておくと酷くなって修繕費用が高くついたり、雨漏りやシロアリなどの住宅の耐震性に影響を与える不具合につながります。
施工不良や劣化を早期に発見し、傷が浅いうちにメンテナンス等を行うために、定期点検を行います。
定期点検は、多くの場合、家を建てた工務店・メーカーが無料でしてくれます。
または、自分で点検したり、第三者の専門家に点検を頼む方法もあります。
しないとどうなるのか
住宅の点検をしないと、メンテナンスの時期を逃し、結果としてメンテナンス費用が高額になる可能性が高くなります。
住宅の定期点検は、歯医者の定期健診に似ています。
定期的に検診に行くことで、小さな虫歯を発見し、安くダメージも少ないうちに虫歯を治すことができますよね。
住宅の定期点検を行うことで、小さな不具合や劣化に気づき、重症化した後に行うよりも安く手軽なメンテナンスで建物の寿命を伸ばすことができます。
参考記事:シロアリ対策は必要か|費用は?長期優良住宅だとシロアリ予防が義務?
義務ではないけど重要
普通の住宅の場合、点検は義務ではありません。
でも、前の章で説明したとおり、点検をすることでメンテナンス費用の節約につながるので点検は重要です。
ちなみに、長期優良住宅の場合は例外で、定期点検が法律で義務付けられています。
詳細:長期優良住宅の点検・メンテナンスしないとどうなる?|罰金や返金がある?
長期優良住宅の定期点検義務について書いてある法律は以下のとおりです。
参考:長期優良住宅の普及の促進に関する法律 第6条
住宅の点検は実際どうやればよいのか
住宅の点検には3つの方法があります。
筆者としては、少なくとも10年に1回は専門家に点検してもらい、それ以外の点検や、台風や地震の後の点検は自分でもやってみるのがおススメです。
自分で点検する
メリット1:お金がかからない。
メリット2:知識が付く。
デメリット:多少は専門知識が必要なのでハードルが高い。
具体的な点検項目としては、以下のようなものがあります。
(出展:(一社)住宅性能評価・表示協会HP 長期優良住宅に係る認定基準 技術解説【第10版】)
自分で点検すると、お金もかからず知識も付きますが、10年に1回くらいは、専門家の点検を受けるのが安心です。
点検を行う際は、愛知県HPに掲載されている「長期優良住宅維持保全マニュアル」が参考になります。
家を建てた工務店やハウスメーカーに頼む
メリット1:メンテナンス後にもし不具合が起きても対応してもらえるので安心感がある。
メリット2:無料の場合が多い。
デメリット1:必要のない(やりすぎな)メンテナンスを勧められる場合がある。
デメリット2:メンテナンス工事の業者を選べない。
デメリット3:施工不良などを正直に教えてくれない可能性。
家を建てた工務店やハウスメーカーの定期点検の場合、安心感があるのが一番のメリットです。
でも、設計・工事をした張本人のため、設計ミスや施工ミスを隠蔽される可能性がどうしてもあります。
また、ハウスメーカーや工務店自身が儲けるために、メンテナンス工事やリフォーム工事の営業の場として、定期点検が利用されてしまうこともデメリットです。
第三者の専門家に依頼する
メリット1:施工不良や不具合を正直に教えてもらえる。
メリット2:メンテナンス工事の業者を自由に選べる。
デメリット1:お金がかかる。(相場は5~15万円)
デメリット2:点検してくれる専門家を自分で探す必要がある。
専門家が行う住宅の調査をインスペクションと言ったりします。
住宅の点検の業者をお探しの方は、イエコマを利用するのもおすすめです。
- 初回限定2万2千円(税込。出張費無料・追加料金なし)
他社の場合、相場は5万円~7万円くらいはするので、破格です。 - 独自の厳しいサービス基準があるので、高度な技術を持った家の専門家による点検が受けられます。
- 実際に訪問する業者とイエコマは別会社。万一の場合はイエコマが窓口となるため、強引な営業を受ける心配がありません。
無料で点検を行う業者に注意
「無料で点検します」と言ってくる業者には注意が必要です。
無料点検はメンテナンス工事を発注するためのセールスとして行っている場合が多いからです。
その場合、たとえ必要がなかったとしてもメンテナンス工事を勧められる可能性が高いです。
住宅の点検の時期
- まずは完成(引き渡し)から1年目や3年目に点検するのがおすすめ。
- 完成(引き渡し)から10年が経過する前に、必ず点検を行う。
- 少なくとも10年ごとに点検をするのが大事。
- 大きな台風や地震の後は点検を行う。 新築住宅の施工ミスや不具合は、住宅の完成(引き渡し)から数年以内に発覚することが多いため、完成から1年目や3年目などの早い時期に点検をするのがおススメです。
完成(引き渡し)から1~3年目の点検
新築住宅の施工ミスや不具合は、住宅の完成(引き渡し)から数年以内に発覚することが多いです。
そのため、完成から1年目や3年目などの早い時期に点検をするのがおススメです。
完成(引き渡し)から10年が経つ前に行う点検
住宅の完成(引き渡し)から10年が経つと、住宅の瑕疵担保の期限が切れます。
(瑕疵担保:完成から10年以内に雨漏りや構造上の欠陥が見つかった場合、工務店やハウスメーカーが無料で直してくれます。)
そのため、完成(引き渡し)から10年以内に点検を行うことが重要です。専門家等に依頼してじっくり点検してもらうのがおススメです。
住宅の品質確保の促進等に関する法律は、略して「品確法」とも呼ばれています。
10年に1回は必ず点検
完成(引き渡し)から10年が経過した後も、少なくとも10年に1回は点検を行うようにしましょう。
長期優良住宅の場合は、10年に1回の定期点検が義務となっています。
詳細:長期優良住宅の点検・メンテナンスしないとどうなる?|罰金や返金がある?
普通の住宅は点検の義務はありませんが、それでも長期優良住宅と同様に10年に1回は点検したほうが良いです。ここでも専門家等に依頼してじっくり点検してもらうのがおススメです。
劣化に気づかず放っておくと、気づかないうちに壁の中で雨漏りが進行していたりします。
災害の後の臨時点検
大きな台風や地震が起きた後も、臨時点検をするようにしましょう。
地震や台風が原因で生じた不具合は、地震保険や火災保険を利用することで保険金で修繕できることがあります。
点検を行わないと不具合に気付くことができず、せっかく保険を使って自己負担なく修繕できる機会を逃してしまうことになります。
点検が面倒だと思う方は、家の外壁をぐるっと一周見て回り、高いところの窓から屋根を見てみるだけでも良いのでやっておきましょう。
まとめ
- 住宅の点検は義務ではないけど重要です。
- 住宅の点検をしないと、メンテナンスの時期を逃し、結果としてメンテナンス費用が高額になる可能性が高くなります。
- 住宅の点検は、自分で行うこともできます。第三者の専門家に依頼するのもおすすめです。
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