コーキング(外壁の継ぎ目にあるゴムみたいな物)がひび割れてきたので補修したい
コーキングの補修の費用相場をしりたい
コーキングの補修は自分でやってもいい?
こんな悩みを解決します。
建築関係の企業で4年以上働いていて、一級建築士の資格も持っている私、だん(壇)が説明します
コーキングのひび割れ原因や、「放置して良いのか?」が気になる方はこちら↓
参考記事:【一級建築士が解説】外壁のコーキングのひび割れを放置すると雨漏りする?
外壁のひび割れが気になる方はこちら↓
参考記事:【一級建築士が解説】危険度別-外壁のひび割れ(クラック)の対応・原因|放置していい?
コーキングの劣化やひび割れの補修方法
コーキングの耐用年数は約10年|補修方法は2つ
コーキングの耐用年数は約10年です。(参考記事:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターHP)
10年を目安に、コーキングの劣化状況や、他の補修工事との兼ね合いも考えながら、補修の時期を決めましょう。
補修方法は以下の2つが一般的です↓
- 増し打ち
- 打ち換え
増し打ちでは、既存のコーキングを残したまま、その上から新しいコーキングを施工します。
打ち換えでは、既存のコーキングを撤去した後に、新しいコーキングを施工します。
打ち換えの方が手間がかかるため料金は高くなりますが、増し打ちよりも長持ちします。
コーキングの補修には足場が必要ですが、足場をかけるのには数十万円がかかります。
打ち換えを行った方が、長持ちする分、足場代の節約となります。
コーキングの補修は誰に頼む?
- 家を建てた業者
- リフォーム業者
- 外壁塗装業者
コーキングのひび割れなどの劣化が気になる場合は、まずは家を建てた業者(ハウスメーカーや工務店)に相談しましょう。
- 補修の必要があるか
- 保証で直してもらえるか
を確認しましょう。
何らかの理由で家を建てた業者に補修してもらえない場合や、他の業者に頼みたい場合は、リフォーム業者や塗装業者に依頼する場合が多いです。
塗装業者は塗装を行う際に、下地処理としてサイディングのコーキングの補修を行うため、コーキングの補修も得意としています。
コーキングではなくガスケットの場合は、家を建てた業者に依頼したほうが無難
サイディングの継ぎ目に、コーキングではなくガスケットが使われている場合があります。
コーキングが比較的柔らかい材料であるのに対し、ガスケットは車のワイパーゴムのように、少し硬い材料です。
大手住宅メーカーでガスケットが使われている場合が多いです。
ガスケットはコーキングと施工方法が異なり、リフォーム業者や塗装業者では補修に対応できない場合も多いです。
家を建てた業者に補修を依頼したほうが無難です。
参考:(外部リンク)住まいの足跡隊HP「ガスケットとシーリングの違い〜目地を詳しく勉強〜」
コーキングの補修をする場合の費用相場の目安
コーキング補修費用の費用相場|試算してみた
①-1増し打ちの場合:1,070円×補修するコーキングの長さ(m)
①-2打ち換えの場合:1,290円×補修するコーキングの長さ(m)
②足場代:1,120円×足場の架面積(㎡)
③諸経費
参考資料:積算資料ポケット版リフォーム編2022(一般財団法人経済調査会)
コーキングは、外壁に多く使われる変性シリコン系ノンブリードタイプを想定しています。
足場は、多く使われる、くさび式ブラケット一側足場を想定しています。
足場の架面積は、足場の水平方向の長さ×高さ方向の長さを計算します。外壁面積より大きくなります。
コーキングの長さは、2階建てなら縦方向で1か所当たり6~8mくらいです。
1,2箇所の補修だけなら、足場をかけずにハシゴをかけて補修することもあり、その時は足場をかけたときよりも安くなります。
床面積100㎡程度の2階建ての住宅のコーキングを全て打ち換えると60万円弱かかるという計算結果になりました(あくまでも目安です)。より広い家ならもっと高額に、より狭い家ならもっと低額になります。
この記事よりも昔に作られた他のサイトを見ていると、コーキングの打ち換えの費用が800~1000円/mとしているサイトもありましたので、近年の物価高騰によりコーキングの補修費用も上がっていることが分かります。
他の補修工事と一緒に行った方がコスパが良くなる
コーキングの補修をするためには、足場の設置だけで30万円弱の料金がかかることが分かりました。
結構金額が大きいですよね。でも足場を設置しないと、工事の品質を確保することはできません。
そのため、足場を設置する工事は、なるべくまとめて行った方がコスパが良くなります。
また、外壁の塗装の耐用年数はだいたい15年くらい、コーキングの耐用年数はだいたい10年くらいです。
これらの理由から、10年くらいのスパンで、外壁塗装や屋根塗装と合わせてコーキングの補修を行うのが、コスパフォーマンスという面でも理想的です。
また、コーキング部分にも塗装することで、紫外線から受けるダメージを防ぎ、長持ちさせることができます。コーキングを長持ちさせるという意味でも、外壁塗装とコーキングの補修を一緒に行うメリットは大きいです。
コーキングの補修をDIYで(自分で)やるのはおすすめしない理由6個
以下の懸念点があるため、コーキングの補修をDIYでやるのはおすすめしません。
- 素人では既存のコーキングをうまく剥がせないことがある(打ち換えの場合)
- コーキングの種類を間違えるとNG(シリコンコーキングを使うと塗装ができなくなる/ブリード現象に注意)
- コーキングの厚さが不足しやすい
- コーキングのハミ出し防止のために貼った養生テープをうまく剥がせない場合がある
- 高所での作業は危険が伴うので絶対ダメ
- 保証切れについて確認する必要がある
どうしてもDIYで補修を行いたい場合でも、自己責任で、1階のコーキングを部分的に補修する程度にしておく方が良いでしょう。
DIYの方法についてはこちらの記事が参考になります↓
参考記事:(外部リンク)ホームプロHP「外壁のコーキングとは?DIYでの補修方法を解説」
DIYは応急処置くらいに考えて、近いうちに業者による補修・塗装をした方が良いです。
上の箇条書きで、分かりにくいものもあると思うので、いくつか説明します。
コーキングの種類を間違えるとNG(シリコンコーキングを使うと塗装ができなくなる/ブリード現象に注意)
コーキングの補修をDIYでやる場合は変性シリコン系のノングリードタイプのコーキングを使いましょう。
シリコン系を使うと、上から塗装をすることができなくなります。
また、ウレタン系を使うと、紫外線に弱いので上から塗装する必要があります。塗装までDIYでやると失敗する可能性が高いのでお勧めしません。
ノンブリードタイプのコーキングを使わないと、ブリード現象という現象が起き、コーキングが汚く変色してしまいます。
コーキングにはいろんな種類があるので、
家の外壁材(サイディング)に合ったコーキングを使用するのが重要です。
コーキングのハミ出し防止のために貼った養生テープをうまく剥がせない場合がある
コーキングを施工する際は、目地(コーキングを入れる場所=サイディングの継ぎ目)の両側に養生テープを貼ります。コーキングがサイディング側にはみ出すのを防止し、キレイに仕上げるためです。
養生テープは、コーキングを詰め終わったら、コーキングが固まる前に外します。
素人がやると、養生テープをうまく剥がせず、残ってしまう場合があります。
保証切れについて確認する必要がある
家を建てた業者(ハウスメーカーや工務店)による保証が残っている場合は、コーキングのDIY補修によってその保証が切れないかどうか確認した方が良いです。
例えば、コーキングのDIYでの補修を行った後に雨漏りが起きた場合、
- DIYでの補修が原因で雨漏りが起きたのか
- 新築時の施工が原因で雨漏りが起きたのか
どっちなのかが確認しづらく、保証による雨漏り補修をしてもらえなくなる可能性があります。
家を建てた業者以外のリフォーム業者・塗装業者にコーキング補修を依頼する場合も、家を建てた業者の保証が切れてしまう可能性があります。
そのため、リフォーム業者・塗装業者に満足できる保証があるかを確認するのがおすすめです。
まとめ
- コーキングの劣化の補修は、打ち換えと増し打ちがあり、打ち換えがおすすめ。
- コーキングの補修の工事費の目安は、(1,290円×補修するコーキングの長さ)+足場代。
- コーキングの補修は、外壁や屋根の塗装と一緒にした方が足場代の節約になる。
- コーキングの補修を家の持ち主が自分でするのはおすすめしない。やるなら応急処置程度に考えよう。
コーキングや外壁の劣化に気づいたら…
コーキングのひび割れに気づいたら、外壁塗装の時期が近付いているサインです。
検討を始めましょう。
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