外壁にヒビがあって、業者からすぐに塗装したほうが良いと言われた…
外壁のひび割れを放置するとどうなるの?
放置すると危険なひび割れがあるの?
私は、建築関係の企業で5年以上働いていて、一級建築士の資格も持っています。
住宅の知識に自信がある私が、外壁のひび割れについて解説します。
時間がたっても進行しないような小さなひび割れは、焦って補修をする必要はありません。
この記事を読むことで、外壁のひび割れをお得に補修する方法や、ひび割れを放置してよいかどうかがわかります。
家の壁にひび割れ(クラック)があって悩んでいる人は、最後まで読んでください。
こちらの記事で、外壁塗装の優良業者の特徴・選び方について解説しています。↓
参考記事:屋根・外壁塗装はどこに頼む?失敗しない選び方|おすすめ優良業者の特徴
ひび割れ(クラック)を危険度別に分類
【危険度高】対応が必要なひび割れ(クラック)1|地盤や建物の構造に問題があるかも
- サイディングの場合は、複数のサイディングにまたがるひび割れ
- 下地材に達する(サイディングやモルタル壁を貫通する)ひび割れ
- 基礎の深いひび割れ(基礎を貫通していて床下から確認できるほど深いものは特に注意)
- 基礎の、錆汁(赤茶色い汁)を伴うひび割れ(参考:(外部リンク)Google画像)
- 時間とともに悪化する(数が増える・ひどくなる)ひび割れ
- ひび割れだけでなく、床が傾いていたり、戸や窓の建付けが悪くなっていたりする
参考:(外部リンク)H12建設省告示1653号「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」
上記に該当する場合、地盤沈下が起きている場合や、家の構造に問題がある可能性があります。
地盤沈下が起きている場合、たくさん沈む箇所と少ししか沈まない箇所が生じて、基礎や壁にヒビが入ったりします。
家の構造に問題がある場合(梁や桁の太さが足りない場合など)も、梁や桁が上階の床の重さに耐えられずに曲がってしまうなどして、壁にひびが入ることがあります。
地盤や構造に問題がある場合は、ヒビだけを直しても根本の解決にならず、今後も悪化していく可能性が高いので、住宅を建てた業者などに依頼して補修をする必要があります。
(相談先については、次のパートで解説しています。)
新築住宅で引き渡しから10年以内の場合は、構造に問題があっても、建てたハウスメーカーや工務店が補修してくれます。(品確法という法律で定められています。)
【危険度高】対応が必要なひび割れ(クラック)2|雨水の侵入につながる
- 塗装表面だけでなく外壁材本体に達している、深いひび割れ
- サイディング壁のコーキング(サイディングの継ぎ目にあるゴムみたいな物)のひび割れ、剥がれ
- サイディング壁のガスケット(サイディングの継ぎ目にあるゴムみたいな物・コーキングより硬い)の浮き
- モルタル壁の、浮きを伴ったひび割れ
- 基礎の幅0.3㎜以上のひび割れ、錆汁を伴うひび割れ(参考:(外部リンク)Google画像)
大きい・深いひび割れは、放っておくと壁の中に水が入り込んで、下地や構造材を腐らせてしまう危険性があります。
また、壁のひび割れや、コーキングのひび割れ・剥がれを放置することで雨漏りにつながる場合もあります。
参考記事:【一級建築士が解説】外壁のコーキング(シーリング)のひび割れを放置すると雨漏りする?
ひび割れやコーキングの剥がれは、外壁が劣化している合図ですので、外壁の補修を検討しましょう。
塗装店に頼めば、ひび割れの補修から、補修後の再塗装までしてくれます。
塗装店を探す際は、一括見積サイト「外壁塗装パートナーズ」を使えば、悪徳業者を避けながら安く外壁塗装してくれる業者を探せるのでおすすめです。↓
基礎に生じたひび割れの場合も、基礎の中に染み込んで、中にある鉄筋を錆びさせてしまいます。
早目の補修が必要です。
【危険度低】とりあえず放置で大丈夫なひび割れ(ヘアクラック)
- 0.2㎜程度の浅いひび割れ(ヘアクラックと言います)
- 塗装だけがひび割れていて、外壁材の本体に達していない
参考:(外部リンク)公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターHP よくあるご相談
上記のような軽微なヒビ割れの場合は、慌てて補修を行う必要はありません。
念のため写真を取り、今後の経過を観察しましょう。(ヒビの数が増えたり進行したりする場合は、構造に問題がある可能性があるため)
慌てて補修を行う必要はありませんが、ずっと放置していると外壁材が水を吸って劣化してしまうため、時期を見て再塗装を行いましょう。
劣化が進み外壁の交換が必要になると、費用が高額です。
劣化が軽いうちに再塗装をすることで、交換の時期を遅らせることができ、長期的にランニングコストを節約できます。
塗装店を探す際は、一括見積サイト「外壁塗装パートナーズ」を使えば、悪徳業者を避けながら安く外壁塗装してくれる業者を探せるのでおすすめです。↓
こちらの記事で、外壁塗装の優良業者の特徴・選び方について解説しています。↓
参考記事:屋根・外壁塗装はどこに頼む?失敗しない選び方|おすすめ優良業者の特徴
外壁のひび割れ(クラック)は誰に相談すればよいか
- 外壁のひび割れ(クラック)を放置してよいかどうかが分からず、不安
- 外壁のひび割れ(クラック)を補修してほしい
そんな時の相談先をまとめました。↓
家を建てた業者
まずは、家を建てた業者(ハウスメーカーや工務店)に相談することを検討しましょう。
家を建ててから10年以内の場合や、10年経った後でも長期保証が継続しているような場合は、無料で修理してもらえる可能性があります。
塗装業者
- 家を建ててから10年以上経っているし、長期保証も切れている
- 家を建てた業者には相談したくない
そんな人は、外壁・屋根塗装の業者に相談してみるのもおすすめです。
外壁・屋根塗装の業者に頼めば、ひび割れの補修から、補修後の再塗装までしてくれます。
外壁・屋根塗装の業者を探すときは、一括見積サイトを使うと便利です。
特に、一括見積サイトの「外壁塗装パートナーズ」には建築の専門家が在籍しており、専門知識を持ったアドバイザーに相談することもできるのでおすすめです。
公的な相談窓口
住宅の不具合などの相談に乗ってくれる公的な相談窓口もあります。
- 各都道府県の建築士会
- 各都道府県の建築士事務所協会
- 住まいるダイヤル
各都道府県の建築士会や建築士事務所協会では、多くの場合、建築相談窓口が設置されています。
「〇〇県建築士会 建築相談」「〇〇県建築士事務所協会 建築相談」など、検索してみましょう。
また、(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、「住まいるダイヤル」という、国指定の相談窓口を設置しています。↓
住まいるダイヤル公式HP
外壁のひび割れ(クラック)を補修するときに使える保険・保証
ひび割れ(クラック)を修理する際は、条件が合えば、保険や保証を活用して自己負担を抑えることができます。
10年間の瑕疵担保責任
新築住宅を建てたり売ったりする事業者は、引き渡しから10年間、構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分に瑕疵があった場合に、補修する義務を負っています。(品確法という法律で決まっています)
簡単に言うと、建ててから10年間は、構造の問題や雨漏りが起きた場合に補修する義務を負っています。
これは法律で決まっていることなので、業者による違いはありません。
家にひび割れが生じた場合で、放っておいて良いひび割れかどうか迷ったら、まずは家を建てたハウスメーカーや工務店に相談しましょう。
もし、ひびが原因で雨漏りしていたり、構造に問題があったりしたら補修してくれます。
ハウスメーカーや工務店の対応に納得がいかないときは、前のパートで紹介した公的な相談窓口に相談してみるのがおすすめです。
住宅メーカーの長期保証
家を建ててから10年以上たっている場合でも、家を建てたハウスメーカーや工務店によっては、長期保証を使ってひび割れ(クラック)を補修できる可能性があります。
長期保証に対応している業者は、特に大手ハウスメーカーに多いです。
保証内容や、長期保証があるかどうかについては、家を建てたときの契約書を確認してみましょう。
火災保険や地震保険
地震や台風で家に力が加わることで家が変形し、外壁や基礎にヒビ割れが生じたりします。
地震が原因でできたひび割れの場合、地震保険が下りる場合があります。
同様に、台風が原因でできたひび割れの場合は、火災保険が下りる場合があります。
どちらの場合も、ひび割れを見つけたらなるべく早く保険会社(または保険金請求サポート業者)に連絡するようにしましょう。
ひび割れが発生してから時間がたつと、ひび割れと地震や火災の因果関係が証明しづらくなって、保険金の請求が上手くいかない可能性があります。
参考:(外部リンク)リペマHP「火災保険請求のコツ!請求時に知っておくべき事」
外壁塗装パートナーズを使って外壁・屋根塗装業者を探せば、専門知識を持ったアドバイザーが詳しく聞き取りを行ったうえで、火災保険を活用した塗装修理に詳しい業者を紹介してくれます。↓
外壁のひび割れ(クラック)の原因
- 乾燥収縮(モルタル外壁・基礎の場合)
- 経年劣化
- 建物の揺れ(地震・台風・電車や車による揺れ)
- 地盤、構造上の問題・施工不良
乾燥収縮(モルタル外壁・基礎の場合)
モルタル外壁やコンクリート基礎の場合は、乾燥収縮によって小さなひび割れが起きることがよくあります。
コンクリートやモルタルは、施工の時点では粘土みたいに水分をたくさん含んでいます。
固まるときに水分が蒸発するため、その分の体積が小さくなり、小さなひび割れが生じます。
コンクリートやモルタルの宿命なので、0.2㎜程度の小さなヒビなら深刻に考える必要はありません。
経年劣化
経年劣化で小さなヒビが生じることもよくあります。
特に、日光がよく当たる南側の外壁は、紫外線による劣化でコーキングのひび割れや塗装のひび割れが起きやすいです。
塗装が劣化していると外壁が水を吸いやすくなります。再塗装を検討しましょう。
コーキングのひび割れも、放置していると壁の内部に雨が入って、下地材の腐食や雨漏りなどの原因になります。近いうちに打ち換えを検討しましょう。
塗装店に頼めば、ひび割れやコーキングの補修から、補修後の再塗装までしてくれます。
塗装店を探す際は、一括見積サイト「外壁塗装パートナーズ」を使えば、悪徳業者を避けながら安く外壁塗装してくれる業者を探せるのでおすすめです。↓
建物の揺れ(地震・台風・電車や車による揺れ)
地震や台風、電車や車による揺れで、ひびが入ることもあります。
特に地震や台風は、建物に大きな力がかかるので、ひび割れが生じやすいです。
建物の設計をするときも、風と地震に耐えられるかどうかを必ず検討するよ
サイディング外壁の場合は、窓の周りなどにひび割れが生じやすいです。
地盤、構造上の問題・外壁下地等の施工不良
地盤、構造上の問題・施工不良が原因でひび割れが起こることもあります。
不同沈下(地盤沈下の一種)なら、基礎やモルタル外壁にヒビが入る場合があります。
横架材(梁や桁など)の寸法が不足している場合は、窓などの上下にヒビが入る場合があります。
構造上の問題が原因であれば、引き渡しから10年以内なら無料で補修が受けられます。(品確法という法律で決まっています。)(詳細)
外壁下地等の施工不良が原因の場合でも、各業者の保証の範囲内で補修してもらえます。
危険度が高いひび割れ(クラック)を放置するとどうなる?
- 壁の中にある下地材や構造材の腐食につながる
- シロアリの原因になる
- 壁の中にカビが発生する
- 雨漏りにつながる
- 地盤・構造上の問題に気づけない
壁の中にある下地材や構造材の腐食につながる
外壁のヒビから雨水が侵入しても、透湿防水シートが貼ってあるため、すぐに室内まで雨水が達することはありません。
でも、外壁のヒビを放っておくと、透湿防水シートよりも屋外にある胴縁など(外壁の下地材)が腐食し取り替えが必要になることがあります。下地の腐食がひどくなると、外壁が外れて他人にけがをさせてしまうリスクも出てきます。
また、ヒビを長期間放置すると、ヒビから侵入した雨水により透湿防水シートが劣化し、構造材や室内まで雨水が侵入してくるようになる可能性もあります。
シロアリの原因になる
外壁のヒビから侵入した雨水により、木材が長期間湿った状態になると、シロアリが発生しやすくなります。
シロアリは、木材を食い荒らすため、地震に弱い建物になってしまいます。
壁の中にカビが発生する
壁の中が長期間湿気にさらされていると、カビが発生することがあります。
カビは、健康被害などに繋がります。
雨漏りにつながる
外壁の大きなヒビを放っておくと、雨漏りにつながることがあります。
特に、開口部(窓など)の上部にひび割れがあったり、開口部の上部のコーキング(サイディングの継ぎ目のゴムみたいな物)が劣化すると、下図のような流れで雨漏りに繋がります。
ひび割れやコーキングの剥がれは、外壁が劣化している合図です。
シロアリや構造材の腐食、雨漏りを未然に防ぐためにも、補修を検討しましょう。
塗装店に頼めば、ひび割れの補修から、補修後の再塗装までしてくれます。
塗装店を探す際は、一括見積サイト「外壁塗装パートナーズ」を使えば、悪徳業者を避けながら安く外壁塗装してくれる業者を探せるのでおすすめです。↓
地盤・構造上の問題に気づけない
外壁のヒビは、家の構造の問題や地盤沈下のサインとなります。
小さなひび割れであれば、特に問題がない可能性が高いです。
しかし、大きなひび割れ・多数のひび割れがある場合や、ひび割れがだんだん悪化する場合は、放置せず専門家に調査を依頼するのがおすすめです。
調査は、まずは家を建てたハウスメーカーや工務店に頼みましょう。
ハウスメーカーや工務店に調査を頼めない人・頼みたくない人は、前のパートで紹介した公的な相談窓口を利用するのもおすすめです。
一般的な補修方法|DIYはおすすめしない
- 幅0.2㎜程度の小さなひび割れ:弾性塗料を再塗装
- 大きなひび割れで、構造上の問題や下地の問題がないもの:Vカット、Uカット工法
- 下地に問題がある(モルタルの浮きなど):下地を補修する
- 構造上の問題があるもの:専門家(建築士など)に補修を依頼
- DIYはおすすめしない:雨水を防いでいる部分の補修には専門知識が必要。高所での作業は危険。
- 相談先が分からないなら住まいるダイヤルへ
幅0.2㎜程度の小さなひび割れ:弾性塗料を再塗装
小さなひび割れ(ヘアクラック)でも、外壁が水を吸ってしまう原因になるので、タイミングを見て補修しましょう。
補修は、弾性塗料を再塗装することが一般的です。
弾性塗料はゴムのように伸びる塗料で、ひび割れの動きに追随することができます。
大きなひび割れで、構造上の問題や下地の問題がないもの:シーリング材の注入
比較的大きなひび割れ(0.3mm以上)で、構造上の問題や下地の問題がない場合は、シーリング材を注入して補修するのが一般的です。
ひび割れが特に大きい場合は、ひび割れ部分にV字やU字の溝を入れてからシーリング材を充填することもあります。
下地に問題がある(モルタルの浮きなど):下地を補修する
モルタルの浮きを伴うひび割れの場合は、下地に問題があることが多いです。
ひび割れの補修をするだけでは再発してしまうため、業者に頼んで下地からやり直してもらう必要があります。
ひび割れは、外壁が劣化している合図ですので、外壁の補修を検討しましょう。
塗装店に頼めば、ひび割れの補修から、補修後の再塗装までしてくれます。
塗装店を探す際は、一括見積サイト「外壁塗装パートナーズ」を使えば、悪徳業者を避けながら安く外壁塗装してくれる業者を探せるのでおすすめです。↓
こちらの記事で、外壁塗装の優良業者の特徴・選び方について解説しています。↓
参考記事:屋根・外壁塗装はどこに頼む?失敗しない選び方|おすすめ優良業者の特徴
構造上の問題があるもの:専門家(建築士など)に調査・補修を依頼
地盤や家の構造に問題がある場合も、ひび割れを補修するだけでは再発してしまいます。
専門家(建築士など)に調査・補修を依頼し、根本から解決することが大切です。
0.3㎜以上のひび割れ、進行する・増加するひび割れは、専門家に相談するようにしましょう
DIYはおすすめしない:雨水を防いでいる部分の補修には専門知識が必要。高所での作業は危険。
外壁は、室内への雨水の侵入を防ぎ、構造体(柱や梁など)を腐食から守るための大事な部位です。
補修には専門知識が必要となるので、DIYはせずに、専門の業者に依頼した方が安心です。
また、2階などの高所にひびがある場合は、素人が足場をかけずに補修しようとすると落下の危険性もあります。
DIYで補修するのは塀やポストくらいにしておいた方が良いです
家そのものの補修をDIYでやるのはNGです
困ったら住まいるダイヤルへ
住まいに関することで困っている消費者を助けるために(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが、「住まいるダイヤル」という相談窓口を設置しています。
(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、住宅品質確保法(品格法)に基づき、国土交通大臣から「住宅紛争処理支援センター」の指定を受けている機関です。
国交省のお墨付きがある、安心して相談できる機関です
(外部リンク)公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター 住まいるダイヤルHP
まとめ
- 外壁のひび割れを放置すると、雨漏り・構造体の腐食・シロアリの原因となる
- 外壁のひび割れの原因として、地盤や家の構造に問題があることも考えられる
- 0.2㎜程度の小さなひび割れは、あまり心配しなくて大丈夫。でも、タイミングを見て補修しよう。また、写真を撮って経過観察しよう
- ヒビの補修に保証や保険が使えることがある
- 大きなヒビの調査・補修は専門家・専門業者に依頼しよう
ひび割れは、外壁が劣化している合図ですので、外壁の補修を検討しましょう。
塗装店に頼めば、ひび割れの補修から、補修後の再塗装までしてくれます。
塗装店を探す際は、一括見積サイト「外壁塗装パートナーズ」を使えば、悪徳業者を避けながら安く外壁塗装してくれる業者を探せるのでおすすめです。↓
こちらの記事で、外壁塗装の優良業者の特徴・選び方について解説しています。↓
参考記事:屋根・外壁塗装はどこに頼む?失敗しない選び方|おすすめ優良業者の特徴
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