低炭素住宅・長期優良住宅・ZEHの違い|どれがおすすめ?【最新情報】

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低炭素住宅・長期優良住宅・ゼロエネルギー住宅(ZEH)の違いは?

家の性能の違いは?

もらえる補助金に違いはあるの?

こんな悩みを解決します。

低炭素住宅・長期優良住宅・ゼロエネルギー住宅(ZEH)は、どれも通常の住宅と比べて省エネな住宅です。(ZEHの読み方は”ゼッチ”です。)

この記事の内容をざっくりと表にするとこんな感じです。↓

こんな人におすすめ特徴ざっくり金銭的メリット
ZEH・電気代を節約したい。
・環境に優しい家が欲しい。
・省エネ特化。
・ほぼ100%自家発電。
・もらえる補助金が多い。
低炭素・電気代を節約したい。
・環境に優しい家が欲しい。
・省エネ特化。
・自家発電と節電でエネルギーを50%節約。
・ZEHより補助金は少ないが、ハードル低い。
長期優良・長持ちする家が欲しい。
・家の資産価値を高く保ちたい。
・省エネ、耐震、劣化対策などバランス型。・税制優遇が多い。
・地震保険の割引。
この記事で分かること
  • 長持ちする家が欲しい人は長期優良住宅、電気代を節約したい人にはZEHか低炭素住宅がおすすめ。
  • ゼロエネルギー住宅(ZEH)と低炭素住宅は省エネ性能に特化した住宅。
  • ZEHと低炭素住宅は創エネルギー設備(太陽光発電など)が必要。
  • もらえる補助金の種類・金額が多いのはZEH。
  • 長期優良住宅は省エネ・耐震・劣化対策の性能が総合的に高い住宅。
  • 標準仕様で長期優良住宅の条件を満たしているハウスメーカーも多い。
  • 地震保険の割引と固定資産税・不動産取得税の減税があるのは長期優良住宅だけ。
だん(筆者)
だん(筆者)

建築関係の企業で4年以上働いていて、一級建築士の資格も持っている私、だん(壇)が説明します。

2022年10月に改正された最新情報も踏まえてわかりやすく解説します。

今後のライフプランを考えて、購入する住宅の金額住宅ローンの種類を決めないと、将来的にローンの返済が苦しくなってしまう可能性があります。

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ゼロエネルギー住宅(ZEH)・低炭素住宅・長期優良住宅の特徴

  • 求められる断熱性能(外壁や屋根や窓などの性能)と設備の省エネ性能は3つとも一緒。
  • ゼロエネルギー住宅(ZEH)は、創エネルギー設備(太陽光パネルなど)が必要。1年間で使うエネルギーと作り出すエネルギーが差し引きゼロとなるような住宅。
  • 低炭素住宅は、ZEHよりもハードルが低い。(創エネルギー設備は必要。)田舎の方だと建てられない地域がある。
  • 長期優良住宅は、省エネ性能以外にも耐震性や劣化対策がしっかりしている。

省エネ性能が高い順に並べるとこんな感じになります。↓

  1. ZEH
  2. 低炭素住宅
  3. 長期優良住宅

超雑に言うとこんなイメージ↓

  • ZEHは消費するエネルギーのほぼ全部を自家発電。
  • 低炭素住宅は消費するエネルギーの半分を自家発電(または節電)。
  • 長期優良住宅は自家発電が要らない。

ZEH・低炭素住宅・長期優良住宅の全部がもっている性能

【共通】断熱性能

ZEH、低炭素住宅、長期優良住宅は、どれも断熱等性能等級5以上が必要です。

断熱性能が高い家は、エアコンが効きやすく、夏涼しく冬暖かく過ごしやすいです。また、暖冷房にかかる電気代も節約しやすいです。

ゼロエネルギー住宅(ZEH)・低炭素住宅・長期優良住宅は、どれも断熱等性能等級5以上の性能があります。

断熱等性能等級は、断熱性能のレベルみたいなものです。

断熱等性能等級5の家は、通常の家と比べると断熱性能が少し高いです。
具体的に言うと、真冬の一番寒い日にエアコンをつけなくても、室内の気温を概ね9~10℃以上に保てます。

助手
助手

しっかりしたハウスメーカーだと、標準仕様で断熱等性能等級5を満たしていることも多いです。

断熱性能について詳細はこちら↓

詳細:2022年10月改正で断熱性能等級5が必須に|長期優良住宅の断熱性能

【共通】設備の省エネ性能

ZEH、低炭素住宅、長期優良住宅は、どれも一次エネルギー消費量等級6が必要です。

一次エネルギー消費量等級は、設備(照明、暖冷房、給湯、換気)の省エネ性能のレベルみたいなものです。

設備の省エネ性能をよくすることで、環境に優しいだけでなく、電気代を節約することができます。

一次エネルギー消費量等級6は、通常の家より設備の省エネ性能が少し高いです。

助手
助手

断熱性能と設備の省エネ性能は関連しています。断熱性能が高い家は、冷暖房が効きやすいから、設備の消費性能も高いことになります。

だん(筆者)
だん(筆者)

断熱等性能等級5を満たしている家なら、給湯器をエコキュートにして、全部の照明をLEDにすれば、一次エネルギー消費量等級6にできる場合が多いです。

詳細:【最新】長期優良住宅の省エネ性能の基準|一次エネルギー消費量等級6を解説

ZEH(ゼロエネルギー住宅)

ZEHは、省エネ性能が高い住宅。1年間で使うエネルギーと作り出すエネルギーが差し引きゼロとなるような住宅。

ZEHは、正確に言うと「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」という名前です。

ZEHでは、断熱性能や設備の省エネ性能が高いことに加え、創エネルギー設備(太陽光発電など)を設置する必要があります。

1年間で消費するエネルギーの合計よりも、太陽光などで1年間で作り出すエネルギーの方が多い住宅がZEHとなります。

雑に言うと、1年間で消費するエネルギーを、ほぼ全部自家発電で確保する住宅がZEHです。

ZEHは、BELS評価機関(民間の評価会社)からお墨付きをもらうことができます。

もっと詳しい情報が知りたい人はこちら。(経済産業省のホームページに飛びます。)

低炭素住宅

低炭素住宅とは、「CO2排出を減らす対策がされた環境に優しい住宅」として行政のお墨付きをもらった住宅です。(行政:都道府県や市区町村。)ZEHよりもハードルが低いです。

低炭素住宅もZEHと同様に、断熱性能や設備の省エネ性能が高いことに加え、創エネルギー設備(太陽光発電など)を設置する必要があります。

1年間で消費するエネルギーの半分を、太陽光発電などで生み出すか節電する必要があります。全部じゃなく半分でよいので、ZEHよりもハードルが低いです。

もう少し正確に説明します。
法律(建築物省エネ法)で国が定めている、エネルギー消費の目標値があります。
低炭素住宅は、省エネ性能が高い設備の導入(←節電)+太陽光発電などの利用(創エネルギー)によって、エネルギー消費を、目標値の半分に抑えます。

また、低炭素住宅は、「用途地域が定められている地域」か「市街化区域」にある住宅じゃないと認定を受けられません。(ざっくり言うと極端に田舎だと認定を受けられません。)

もっと詳しい情報が知りたい人はこちら。(国交省のHPに飛びます。)ページ下部にあるパンフレットがわかりやすいです。

長期優良住宅

長期優良住宅は、「メンテナンスしやすくて長持ちする住宅」として行政のお墨付きをもらった住宅です。(行政:都道府県や市区町村)

長期優良住宅は、断熱性能や設備の省エネ性能以外にも、耐震性や劣化対策性能も高いです。

  • 劣化対策:雨漏りや結露、シロアリなどに強い構造。
  • 耐震性:地震や強風で倒れない。

長期優良住宅についてより詳しい情報はこちら↓

詳細:【長期優良住宅とは?】認定基準・条件や確認方法を一級建築士が解説

長期優良住宅に関する国交省のホームページで、わかりやすいパンフレットが見れます。
国交省のホームページはこちら

補助金や税制優遇などの違い

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  • ZEHは国からもらえる補助金の種類が多くて金額も大きい。
  • 長期優良住宅は固定資産税の減額や地震保険の割引などがある。

補助金

ZEHが対象となっている補助金
  • こどもエコすまい支援事業 最大100万円
  • こどもみらい住宅支援事業 最大100万円
  • 地域型住宅グリーン化事業 最大140万円
  • ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業 最大60万円
低炭素住宅が対象となっている補助金
  • こどもエコすまい支援事業 最大100万円
  • こどもみらい住宅支援事業 最大80万円
  • 地域型住宅グリーン化事業 最大90万円
長期優良住宅が対象となっている補助金
  • こどもエコすまい支援事業 最大100万円
  • こどもみらい住宅支援事業 最大80万円
  • 地域型住宅グリーン化事業 最大140万円

※補助金をもらうにはいろんな条件があるので、補助金を利用したい場合はまずは住宅を建てる業者に相談しましょう。

助手
助手

補助金によっては、子育て世代じゃないともらえないものや、特定の業者を利用しないともらえないものあります。

税制優遇

ZEHが対象となっている税制優遇

所得税の減税の限度額が上がる(住宅ローン減税or投資型減税)

低炭素住宅が対象となっている税制優遇
  • 所得税の減税の限度額が上がる(住宅ローン減税or投資型減税)
  • 登録免許税の減税
長期優良住宅が対象となっている税制優遇
  • 所得税の減税の限度額が上がる(住宅ローン減税or投資型減税)
  • 登録免許税の減税
  • 不動産取得税の減税
  • 固定資産税の減税

補助金と違い、税制優遇には過度の期待を持たないようにしましょう。

フルに税制優遇を受けても、「ZEH・低炭素住宅・長期優良住宅の認定を受けるための手数料がチャラになるかならないか」程度の金額しか得しません。

その他の金銭的メリット

  • ZEH・低炭素住宅・長期優良住宅は全部、住宅ローン(フラット35)の金利を安くできます。
  • 長期優良住宅は、地震保険の割引が受けられます。

初期コストの違い

  • ZEHと低炭素住宅は通常の住宅より建設コストが増える。
  • 長期優良住宅は通常の住宅より建設コストが増えないことも多い。
  • 認定申請の手数料には大きな差はない。

ZEHと低炭素住宅は、創エネルギー設備(太陽光発電など)の設置が必要です。
その分建設コストが高くなります。

助手
助手

創エネルギー設備の設置にはお金がかかりますが、設置することで電気代の節約につながります。

長期優良住宅は、しっかりしたハウスメーカーだと、標準仕様で条件を満たしていることも多いです。
そのため、長期優良住宅は追加の建設コストがかからない場合もあります。

ZEH・低炭素住宅・長期優良住宅は、建設コスト以外にも、書類作成や審査のための手数料がかかります。
書類作成や審査のための手数料は、3つとも大きな差は無いです。

ZEH・低炭素住宅・長期優良住宅が向いているのはこんな人

  • ZEHは環境に優しい家が欲しい人や電気代を節約したい人に向いている。
  • 「ZEHだとハードルが高すぎる」という人には低炭素住宅が向いている。
  • 家を長く大切に使っていきたい人、家の資産価値を高く保ちたい人には長期優良住宅が向いている。

ZEH・低炭素住宅・長期優良住宅は、どれも書類作成・審査のための初期コストがかかります。

その代わり、長い目で見ると、ZEHや低炭素住宅は電気代を安くしながら快適な生活を送れます。長期優良住宅は無駄な修繕費用を抑えながら快適な生活を送れます。

だん(筆者)
だん(筆者)

初期コストと、長い目で見たランニングコストを天秤にかけて判断しましょう。

(補足)長期優良住宅と低炭素住宅は条件が最近改正された

低炭素住宅と長期優良住宅は、2022年の10月から、条件が厳しくなりました。

昔は断熱性能や設備の省エネ性能がZEHより低くても、低炭素住宅・長期優良住宅の認定を受けられました。

でも2022年10月からZEHと同じ水準の断熱性能・設備の省エネ性能がないと認定が受けられなくなりました。

この記事は、改正された後の最新情報をもとに書いているので安心してください。

まとめ

  • 長期優良住宅は省エネ・耐震・劣化対策の性能が総合的に高い住宅。低炭素住宅とゼロエネルギー住宅(ZEH)は省エネ性能に特化した住宅。
  • 雑に言うと、ZEHは消費するエネルギーの全部を自家発電。低炭素住宅は消費するエネルギーの半分を自家発電。
  • 地震保険の割引と固定資産税・不動産取得税の減税があるのは長期優良住宅だけ。もらえる補助金の種類・金額が多いのはZEH。
  • 長持ちする家が欲しい人は長期優良住宅、電気代を節約したい人にはZEHか低炭素住宅がおすすめ。
  • 初期コストと、長い目で見たランニングコストを天秤にかけて判断しましょう。

今後のライフプランを考えて、購入する住宅の金額住宅ローンの種類を決めないと、将来的にローンの返済が苦しくなってしまう可能性があります。

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参考記事:住宅購入の資金計画で失敗しない!無料FP相談を活用しよう

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